これまで普及していた改良カマド
当会はキリマンジャロ山で森を守るため、直接緑を増やす植林活動、緑を減らさない(=薪消費を減らす)ための改良カマド普及、村人たちの植林意欲喚起のための蜜源樹植林と養蜂に取り組んでいます。
このうち改良カマドは、タンザニアで一般的な三ツ石カマドに比べて薪の消費量を6割以上も削減することができ、村のママさんたちには大人気です。薪消費を減らせるだけでなく、熱効率の良い改良カマドを使うと調理時間も半分くらいに短縮でき、余った時間を他のことに使うことができるようになります。
以前はアリ塚の土と溶岩を使った改良カマドを普及の主力としていましたが、山中では十分な量のアリ塚の土と溶岩を確保ができる場所が限られたことから、現在では基礎にレンガを使用したタイプが主力になっています。
ただレンガは山の外から買ってこなければならず、レンガ代、というよりもそれを村まで運ぶまでの運送費が普及の足かせとなっていました。
そこで今年度から、従来のレンガタイプの改良カマドに対して、レンガの使用量を半分以下にできる新改良カマドを導入していくことにしました。
どこが違うのかというと、カマドの高さが違います。これまでは立姿勢でも調理できるようにカマドの丈を高くしていたのですが、これを現在の三ツ石カマドでの調理がそうであるように、座った姿勢で調理する高さに抑えることにしました。これでレンガの使用量を大幅に減らせるだけでなく、薪を置く焚口から鍋までの距離も縮まるため、さらに熱効率が良くなり、薪消費量もさらに減らすことができます。
新たに普及を予定している改良カマド
良いことづくめのようですが、カマドの構造が変わるため、職人の再研修が必要になります。当会は8月以降にこの研修を実施することにしています。
植林、改良カマド、養蜂は一見するとバラバラの取り組みのように見えます。しかしこの3つは森を守っていくためには切り離すことのできない三位一体の取り組みであり、当会はこれからもキリマンジャロ山における主力活動として取り組んでいきます。